ハムスターの骨折

今回は久しぶりにハムスターの手術のお話。
内容は骨折です。
ハムスターは骨が細いので力のかかり方次第で簡単に骨折してしまいます。
怖いのが2階の床やハシゴが格子状になったケージ。
足を引っ掛けたまま落下すれば骨折します。
2階へ移動するならハシゴよりトンネルの方が安全です。


では症例です。

患者さんはジャンガリアンハムスター。
気がついたら左後足がおかしくなっていたそうです。
診察すると、左の膝から下で骨折していました。
折れた骨の先端が露出し、その先が壊死してミイラ状になっていました。
でも本人は元気でした。スゴイですね(^^;
では1枚目の写真です。
見ても大丈夫という方だけクリック

h1

骨折部が露出し、そこから先は壊死してミイラ化していました。
こうなっては元に戻す事が出来ないので断脚手術を行いました。
犬猫と同じように抗生剤、止血剤、鎮痛剤を使い、吸入麻酔薬で寝かせました。
ダメになった組織を取り除き、正常な筋肉や皮膚で覆って縫い合わせて終了。

術後の写真がこちら

h2

術後の経過は良く二日後に退院しました。
帰宅後も元気だったそうで、2週間後の抜糸の際には体重が2gも増えていました(^^)

h3
完全に皮膚で覆われていますね。
人間なら足がないと歩くのが大変ですが、そこはハムさん。
見た目には不自由を感じないくらい元気いっぱいに走り回っています(^^)
h4

足が痛いの治って良かったね。
これからは怪我しないように気をつけて遊びましょう(^^)b


※補足※

骨折の話ではないですが、“綿”は要注意です。
ハムスターのベッドとしてよく売られていますね。
暖かくて良さそうなのですが綿は捻じる(ねじる)と非常に細く頑丈な糸に変わります。
綿に足を突っ込み抜けなくなると暴れます。
その際に綿が捻じれて足に絡まるとますます暴れます。
どんどん皮膚に食い込み血行がなくなり、最期には壊死します。
骨折ではないですが断脚手術の適応になります。
綿は暖かくて良さそうですが、ハムスターの敷材はウッドチップ(できれば広葉樹)がオススメです。
温かくしたければペットヒーターを用いましょう。