皮膚病の治療

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マラセチア(真菌、カビの一種)が異常増殖することで起こる皮膚炎です。
皮膚は赤くなり痒みを伴うことが多いです。
シーズーが多いですが、どの犬種でも起こりえます。
2枚目、3枚目は顕微鏡の写真です。
紫色のダルマ型がマラセチアです。
常在菌の一つですが何らかの原因で皮膚に異常が起こると増殖し、皮膚炎を起こさせます。
皮脂を好むので、ベタベタした部位で増えやすいです。

症例紹介

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炎症のため、脇の皮膚が赤くなりひどく掻いていました。皮膚は硬くゴワゴワになっていました。
マラセチアが見つかったので抗真菌剤を中心とした内服薬と週2回のシャンプーで治療しました。
2枚目は12日後の写真です。
皮膚の赤みと痒みが減りました。
ステロイドは使用していません。

治療のポイント

マラセチア性皮膚炎の場合、最低でも3週間以上は内服を続けます。
激しい痒み(夜も眠れないくらい)が無い限りステロイドは用いません。
マラセチアは皮膚の脂が大好物なので、シャンプーによる皮膚のケアが重要です。
シャンプーは皮脂を取り除く作用が強いモノや真菌を殺す力のあるモノを用います。
症状がアトピー性皮膚炎やその他の皮膚疾患に類似するため、最初に検査を行い、
マラセチアを検出・治療することが重要です。
マラセチアの増殖は他の皮膚疾患に引き続いて起こる事が多いです。
初期治療のみでコントロールできなかった場合は、追加の検査と治療を行います。