4~5年前からお腹のブツブツ、痒み [柴 ・12才 ・ 良質なフードで改善]

今回は柴犬・12才の女の子

4~5年前から皮膚病が続いていたそうです。

お腹や後ろ足に皮膚炎があり、舐めていました。

写真はこちら↓

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お腹から内股にかけて所々赤くなっていますね。
写真では分かりにくいですが、一部は薄皮がむけたようになっています。
皮膚病の治療で大切なのはこれまでの経過を確認すること。
そのため難治性皮膚疾患用の問診票に記入いただきました。
そこから出てきたキーワードは
初発年齢は7~8才。
季節性無し。
一般的な治療に反応していない。
フードはリーズナブルなモノ。
の4つ。
これらからどうもアレルギー疾患の可能性は低そうです。
院内検査ではカビや寄生虫は確認されず。
以上より治療法は以下ような事が考えられました。
①フードを適切なモノに変更
②腸内細菌のバランスを整えるため、サプリメントを併用
③現状の皮膚炎治療に抗生剤
④強い痒みに対しステロイド
①と②をメインに、③を併用、初期のみ④も使用する事としました。
①のフードも治療食ではなく、皮膚用に調節されたプレミアムフードを使用しました。
治療始めてからの経過です。
1ヶ月半で皮膚の赤みは消失しました。
被毛も少し伸びました。
しかし痒みはある程度残っていたようです。
初診時から3ヶ月後には痒みはほとんど気にならないレベルになりました。
写真は初診時と3ヶ月後の比較です。
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真っ赤な部分が無くなってますね。
被毛もお腹全体的に伸びて、脱毛部分が狭くなっています。
皮膚が黒くなっているのは長く皮膚炎が続いた結果。
皮膚が良好に維持できれば元の色に戻るはずです。
現在はプレミアムフードとサプリメントのみ継続していただいています。
皮膚は良好な状態を維持されています。
最初こそお薬を用いましたが、以降はフードとサプリメントのみでコントロールできており、飼い主さまには
大変喜んでいただけました。

繰り返しになりますが、今回用いたフードは治療用ではありません。
皮膚に良いように調整されているものの、あくまで健康な子用のフードです。
お値段も1kg 1458円、3kg 3542円 (税込み)ですので、市販されているプレミアムフードとほとんど変わりません。
それでも治る子は治ります。
今回の症例に関してはリーズナブルなフードだから皮膚炎が治らなかった、のかもしれません。
意外と多いんですよ、そういうケース。
飼い主さんの中には「この病院はやたらとフードの値段にうるさいなぁ」とお感じになった方もおられるでしょう。
・・・たぶん多いと思います(^-^;;;
でもフードをちゃんとしたモノに変えるだけで治せる病気は多いんです。
皮膚病以外に泌尿器疾患(尿の病気)、消化器疾患(下痢、嘔吐)などもそうですね。
どんなフードが良いのかよく分からなければ、闇雲に与える前に一度病院までご相談くださいね(^^b